2008年10月19日日曜日

【マタンゴ】キノコ人間の恐怖、思いの外に名作

マタンゴー。

巨大キノコ、キノコ人間と言えばマタンゴ。それはもう中学生の頃から常識として知っていたが、実際にこの映画は見たことなかった。存在は知っていたけどあらすじも知らなかった。

それをツタヤでたまたま目にしたから見てみることに。

正直、期待はしていない。



昔の力作みたいだし、キノコ人間というネタが面白いから名高いだけで、まあ、昔なら少し受けたような安い特撮だろうと。でもレンタル半額だから見てやるか、くらいの。

で、期待せずに、メシを食いながらチラ見してたら、なんだよ!おもしれえよ!

1963年公開って、かなり古いんだけど、DVD向けになんかしたのか、画質は良い。で、嵐の海や難破船、無人島にキノコの特撮(敢えてSFXと言わず)が、思いの外にクオリティ高い。もちろん、現代のアレコレに比べればチープだが、第二反抗期のヒネクレ小僧みたいな見方をしなければ、十分に魅せてくれるレベルだ。当時の流れか、やや劇画チックな演技もまた良い。

因みに古い映画、特に邦画は、登場人物のファッションのダサさが目に余ることが多い気がしていたが、きっと流行が2周りくらいしてタイミングが合っているのだろう、意外とオシャレに見えてこれもまたよい。・・・まあ、一部の人物の、短パン(ハーフパンツじゃなくて短パン)に白ハイソックス(の、おっさん)と言うのなどは時代を感じるが・・・。


それにしても、ストーリーがまた良い。というか、これがかなり想像以上。もっとこう、荒唐無稽な話かと思っていたら、難破した7人の男女・・・これがまた、そもそも遭難する前から、「このクラスでは一番金のかかったヨット」でバカンスする御曹司や文化人など、「自分たちは陸にウロウロしているチンケな一般人とは違う」と言う勘違いな特権意識丸出しの連中で、もちろんその中では仲間の振りをしているが実際には見えざるヒエラルキーがあり、嫉妬と不信が渦巻いている。

いざ遭難すれば、自分だけが助かろうとするエゴ丸出しで無茶をするのが続出で、人間模様が実にうまく描写されている。というか、それが話のメインだね。キノコ人間は小道具に過ぎなかったようだ。

そして、予想を裏切る衝撃的な結末もまた良い。いやこれ、本当に良く出来てるよ。ネタとしてでなく、普通に名作として鑑賞できる映画だ。

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