韓国だスタミナだと言うと、焼肉だ唐辛子だと暑苦しいイメージが先行しがちだが、それは予断というものだ。サムゲタンは、丸ごと1匹の若鶏の腹に、もち米、そして高麗人参やナツメ、栗、松の実、ニンニクなどの如何にも滋養強壮に良さそうなものを詰めて煮たものだ。通常、1人前=1匹という思い切った料理だが、ほとんど味付けらしいことをしないで煮られているので、やはりビジュアルはほとんど白いスープの中に鶏肉が鎮座してるだけのおとなしいものである。
さて、そのサムゲタンの、レトルトになっているものが家にあった。もらい物だったはずだ。結構前からあるが、何せ、少なくとも俺の日常の食生活においては、やはりそれでもちょっと異端系であることを否めないので、長らく手をつけずに置かれていた。
先日ちょっと飲みすぎて胃腸の調子が悪く、それでいて今日は休みで何か変わったものが食いたく、且つ家にろくな食材は無い。
このような状況に至り、部屋の片隅に忘れかけていたサムゲタンを思い出したのだ。レトルトなだけあって、賞味期限を確認するとまだゆとりがあった。
夏の終わりの弱った胃腸には薬膳料理だ。
さて、そうと決まれば調理。湯煎かレンジか鍋か。俺は鍋をチョイスした。
何せ、レトルトとは言え、鶏が丸ごと1匹だ。密封ものの常で生臭さが蓄積しているのではないか。こういう場合、開放的に鍋で煮るのがベストチョイスだ。パウチ内で篭った雑味を蒸散させるのだ。
小さい土鍋にあけた時はちょっと食欲が減退したが、それを15分ほど煮ていると、いつしか鶏がらっぽい匂いに人参の風味が乗ったよい意味での”サムゲタン臭”がしてきた。
で、こんな。
写真で見るとなかなか死体っぽいな。いやそのまんまなんだが。
塩と、白胡椒を振りながら食べた。思いの他、いけた。とりあえずコラーゲンはしこたま摂取したような気分だ。
これ、粉チーズ掛けたら意外と良かったりしないかな?
レトルトだからだと思うのだが、骨までグスグスに煮えていて、おかげで図らずも骨を大部分食ってしまったのだが、骨の髄には血があって、ちょっとくどい。それが少しもたれている。どうやら骨は特に好きじゃなきゃ食わない方が良さそうだ。今度から気をつけよう。
・・・今度なんかあるのかって?
・・・実はあと2袋あるのだよ。あんまりしょっちゅう食うようなメニューじゃないと思うのだが・・・。
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