2008年9月28日日曜日

【宇宙戦争】なんだかんだ言ってもトムは格好いい

スターウォーズに続いて宇宙戦争。同じようなことを言ってる気がするし実際そうなんだが、まったく違う内容だ。



これは、面白かった。PCで作業をしながら片手間に見てたのだが、途中からすっかりテレビの前に向き直って見てしまった。

つまるところ、地球をこっそりと監視していた宇宙人が遂に襲来し、その圧倒的なテクノロジーで人間を殺戮しまくる、さあどうする?という古典的な話だ。

古典的なのも当然、”SFの父”と呼ばれるH・G・ウェルズの古典的名作が原作なのでつまり古典なのだ。

多少ワイルドだが、離婚されてたまに元妻と子ども達に会っても不器用な接し方しか出来ない港湾労働者を演じるのがトム・クルーズ。今更聞いても何の新鮮味もない名前だが、やはり長く活躍するだけのことはある。普通に格好いいと思う。

反抗期の息子と情緒不安定な幼い娘を預かっている時に街が宇宙人に侵攻され、必死の逃避行をするというのが主なストーリー。

宇宙人は各地に現れて地球を侵攻しているので、各国軍が戦闘しているのだが、それはここではメインではない。

子ども達を守る、というそれだけを至上にして唯一の目的としたトムの逃避行がメインだ。途中、宇宙人に抵抗を試みる男に腰抜け呼ばわりされても、娘を(息子は若気の至りで途中で袂を分かつ)守ることだけに全てを捧げる姿は、国の為、地球の為という大儀とは違う何か大事なものを感じさせて感動を誘う。何かを守るということは、カッコよく玉砕すればいいと言うものではない、と。


最後、宇宙人が、蛸足のメカから地上の偵察に降りた際に水や食料を摂って、地球の細菌に感染したことで弱体化して地球の兵器に破れる、と言うのはやや合点が行かなかった。それだけの文明的な連中が、野蛮であることぐらいは受け入れるが、他所の星でおもむろに生水飲むか?現代地球人だって外国行ったら生水は自重するぜ。
まあ、そんな突っ込みどころはそれほど重要じゃない。逆転の目が出るギミックなんて適当に理由付けされてればいい。この作品の主眼はそこじゃないのだから。

トムを罵った自称レジスタンス(予定)の男は、「最後まで目を開いて何をすべきか考えているヤツが生き残る」とかいうことを言っていた。それは確かだと思った。もっともこの男は目を開いてられなくなって死ぬ羽目になるんだが。

一方トムは、積極的に撃って出る意思がまったくないことで、その男からも、たぶん息子からも腰抜けのように思われていたが、やはりそうではなく、娘を守るためにやらねばならないことを全力で考えていたということなのだ。結果、娘がトライポッドと呼称されるようになった巨大蛸足メカに捉われた時には自ら突撃し、偶然の助けも得ながら手榴弾で撃破を果たす。

突撃は、やるべき時にやることであって、そうでない時にやることではないと。これは単純だけど大事なことであり、また人々が忘れ易く、日常生活にも活かせる教訓であるなあ。

「やるしかないだろ!」仕事なんかでもそういう台詞を誰かが吐くシーンは、年に数回くらいはあると思う。ない?俺はあるけど。

でも、そこで考えるべきなのだ。それは本当に、勇気ある決断なのか、それともただの破れかぶれなのか。


小学校低学年?くらいの、情緒不安定な娘は、可愛らしいヒロインだったな。ませていて、かなり生意気な子どもなんだが、その実、必死に生きているような雰囲気が、徐々に健気さを感じさせる。それでこそトムが守ろうとする姿もまた活きる。


あと、ネタ的に面白かったのは劇中での噂話。停電により情報が遮断され、混乱する中で、舞台であるアメリカの人々は囁きあう。

「アメリカが最悪で、アジアもやられているがヨーロッパは無事らしい」
「ヨーロッパは跡形もないらしい」
「大阪(日本)では、トライポッドを何体か撃破したらしい」


噂ではあるが、その時点において、地球上で唯一、宇宙人相手に僅かながらの戦果を上げたのが日本であるという話。

俺が見た時点で察したのは・・・
ははーん。結局のところ、インディペンデンス・デイでもそうであるように、宇宙人のシールドを突破して通常兵器で倒すには、特攻しか無い。だから日本人は得意の奥義・バンザイアタックで倒すことが出来たということか。


と思ったのだが、さっき調べたら監督のスピルバーグ曰く、『大阪が倒せた理由?そんなの、日本人はアニメやオモチャでロボットに詳しいからに決まってるじゃないか!』だそうだ(Wikipedia)。

なるほど。それもまた一理あるな。

俺は簡単に人間を国でラベリングしたりするのは好まないが、日本には、ロボットについて他の国々の研究機関とは違う熱い眼差しを注ぎ続けている人々が数多くいることは確かに思える。そうでなければASIMOみたいな役立たずを巨費を投じて作ったり、本物の真面目に最先端的研究のためのロボットのデザインをアニメのメカデザイナに依頼したりはしないだろう。

http://www.kawada.co.jp/mechs/mk-II/index.html
↑HRP-3 Promet Mk-II ガンダムやパトレイバーの出渕裕がデザイン。無駄にカッコいい。


トムが出てくる映画に多いと俺が思い込んでいる、最後に大爆発でスカッと爽快系では無かったのだが、これはこれで、むしろ面白かった。

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