2008年9月27日土曜日

スターウォーズIII シスの復讐

見た。

相変わらず、あまりにメジャーな作品をあまりに遅まきに見るのがマイスタイル。違う。スタイルじゃない。見ようと思っているうちに数年が経過していたというだけだ。



いわゆるエピソード4~6は小学生時代、それもだいぶ小さい頃だったような。ジェダイの復讐の看板は記憶にあるけど、気楽に映画を見に行く歳じゃなかったから見ていない。
たぶん、俺とスターウォーズ本編との出会いは、そのジェダイの復讐が公開されるにあたって金曜ロードショーとか日曜洋画劇場とかそんなんで1、2が放映されたことによるのだろう。

同級生でも、多少知恵があって、特に兄がいるような連中は結構熱心に語っていたように思う。俺も、映画をテレビで見て、まあ普通に絵的に面白いなと思ったが、それほどでも無かった。なにせ外人はゴツいからな。レイア姫が俺の脳内の姫像と違っていたのがいけないのかも知れない。そんなこたないか。

そういうわけで、スターウォーズシリーズは面白いものという認識がありつつ、マニアのようにとりわけ入れ込むような興味は無かった。


さて、かなりの時を経てエピソード1が公開された時、俺は学生であった気がする。この時は、ストーリー云々よりも、あのSFが現代技術でやるとどれほど凄くなるのか、という点において強い興味があった。

それで、後に妻となる彼女と一緒に、珍しく劇場に見に行ったのだが・・・彼女の感想は、「話が少しもわからない」その他3つほどの、根本的な不満によって構成されていた。元々、SF、アニメ、ホラー、アクション、そういうジャンルの話には興味のない人間だったから仕方ない。曰く、「ぜんぶ嘘の話じゃん」。それ言っちゃ終わりだろうよ。

俺の感想はと言うと、これもやはり、さほどは面白くなかったのだ。普通にはエキサイティングだった気がするが・・・期待していたSFXが。

思うに、子どもの頃に見たスターウォーズのSFXは、もっとチャチだった筈なのだが、その後の記憶の中で、都合よくグレードアップされていたのだろう。俺はもともと、飛び去るウルトラマンのがツヤツヤで吊り下げている糸が見えていたからと言って、そんなことに突っ込みを入れて面白がる気質は薄かった。黒子は見えないもの、だったら見ない、という見方が出来る程度の度量は持ち合わせていた。

だから、エピソード1とエピソード4に、あからさまなSFXのクオリティの差を感じることが出来なかった。いや、よく見れば俺だって気づくが。

で、その後のスターウォーズシリーズには興味が薄れていたのだが、それでも、途中だけ抜けているのは非常に気持ち悪い。それで、その穴を埋める部分はDVDで鑑賞することにしていた。



で、ようやく、今回エピソード3を見たわけだが・・・まあ、ほぼ期待通り。豪華なSFXは豪華だけど、豪華なSFXだなあ、という以上の感慨はあまり持てず。

SFXで非現実的な映像が実現されている、という凄さと、その映像の情景が衝撃的に美しかったり格好良かったりする、というのは別だからな。

そういう意味じゃ、いかにヨーダのライトセーバー捌きが神業でも、「すごいなあ、でもヨーダはこのくらいするんだろうな」という感想しか持てないわけで、マトリックスのネオのブリッジ弾丸避けを初めて見た時のような「!」という感覚は持てない。


とは言えやはりSFXは全編通して圧巻で、あの馬面のメカニカル阿修羅マンみたいな敵とオビワンの決闘とか、ダースベイダーがちょん切れて炎に包まれながら呪詛の言葉を叫び続けるシーンなんか随分な迫力だったんだが・・・。

結論から言うと、やっぱりちょっとイマイチかなあ。

そもそも、話がわからん。評議会?元老院?ドゥークー卿?クローン?ドロイド?ダース・なんとか?そんな感じの、会話の中に頻繁に出てくる用語が、いちいち話の理解を妨げる。見ながら、PCを開いてWikipediaで調べ、ようやくふむふむ、なるほど、なんて感じで見ていた。

だから話は頭に入らんし没頭も出来ず、ただただ光線が踊る映像を楽しむといった感じになってしまい、しかしこういう凄絶な戦闘も、結局のところ、「彼らは何者で、何の為に、何故戦うのか」が見えない状態ではイマイチ感情移入できないので面白さ半減。

オリンピックだって、興味の無い国の興味のない選手の競技より、自国の選手が出ている、或いは、注目している選手が出ている方が面白いのと同じだ。

水泳の北島の優勝には日本中が沸いた(例外はここでは気にしない)だろうが、映像だけならそこらの市民大会でも、50mプールで8人の人間が平泳ぎをしている姿くらいは見ることが出来る。そんなものは見ても「ふーん」程度だろうが、それが斯くも人々に感動を呼び、飽き飽きするほどテレビで繰り返し流されたのは、あのレースに至るまでの背景がそれ以前に散々説明されていたから、北島がどういう背景を背負ってレースに臨むかという解説があったからだ。

そういう意味で、スターウォーズのSFXは凄い、だが、何の戦争だか誰なんだかわからん登場人物が戦っていても、雑技団のようにしか見えない、と言っては極端だが、でもそういう風に感じてしまうのだった。


ま、それでも普通に考えれば十分に面白かったのかな。

スターウォーズ、というブランドに期待値が大き過ぎて、「つまらない」という感想を持ってしまったのかも知れない。

ちなみに、終わる10分前くらいになって、「やっぱり俺はエピソード2は見ていなかったんだ」と気づいた。でも、もうそれはいいや。

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